【外務省「サンフランシスコ会議議事録」にみる 各国代表の発言】(抜粋)

パキスタン  チャンドリイ・モハメッド・ザフルラ・カーン外相(1951年9月6日)
「四年になんなんとする間に、日本の侵略の潮はアジア各国に放火と殺戮とを齎したのであります。
(中略)
最も耐え難ったのは屈辱、人間の尊厳に対する暴行侮辱でありました。遂にその終末が参りました。
(中略)日本の占領すなわち死の苦しみに対する熾烈な記憶は依然として消えずしばしば悪夢となって
蘇ってくるのであります。」

インドネシア  アーマド・スバルジョ外相(1951年9月7日)
「日本人による占領期間中にインドネシアが被った損害は二重であります。第一に、約四百万名の
人命の損害があり第二には数十億ドルの物質的損害があります。」

フィリピン  カルロス・P・ロムロ外相(1951年9月7日)
「私は、ここで、日本の最も近い隣国の一つであり、不釣合いに重大な破壊を受け、日本のために
損害を受けた国を代表して述べているのであります。千八百万の人口のうち、われわれは百万以上の
生命を失いました。生命の損失の他に我が国民は未だに癒されない程深い精神的傷手を蒙りました。
四年間に亘る野蛮な占領と侵略者に対する不断の抵抗の後、我が国民経済は完全に破滅し去ったので
あります。」