「A級戦犯は天皇の身代わり」論はA級戦犯側を美化するための
論で、事実ではない。
GHQ側は現代人よりよく調べていて、天皇については天皇それ自身
の過去の言動や責任、当時の政治情勢などで判断しており、
身代わりなどという考えはまったくない。
身代わり論はA級戦犯に同情的な日本人が考えた日本人的発想。
しかし、昭和天皇が実際に望んでいた国際協調、戦争回避の方針に
反して戦争への道を進めたわけであるので、それぞれに事情はあると
思うがA級戦犯は彼ら自身の責任で裁かれたとしかいいようがない。

なかでも開戦時の陸軍大臣であり首相になってからは山形有朋以来の
絶大な権力を手にして戦争を進めた東条英機には大きな責任があることは
間違いない。

戦後かれはGHQに逮捕される直前に拳銃自殺を図ったが
その時にも天皇に対するお詫びはなかったし、裁判中も
周囲に説得されるまで自分は天皇の意向に反していないと主張しようとしていた。

天皇の身代わりとして美化するのはいかがなもかと考えます。