(証拠4)
佐藤和男氏が、中国兵は中支那方面軍軍律の適用対象だったと考えている証拠は、次の通り。
「出入を禁止されている区域である安全区に逃げ込むことは、軍律審判の対象たるに値する戦争犯罪
行為(対敵有害行為)を構成すると認められ、安全区内での摘発は現行犯の逮捕に等しく、彼らに
正当な捕虜の資格がないことは既に歴然としている。」
「多人数が軍律審判の実施を不可能とし(軍事的必要)」と書いて、多人数を理由に軍律審判を実施
しなかった。また、戦闘中に集団で捕えられた敵兵の処断について「日本軍の関係部隊には緊迫した
「軍事的必要」が存在した」としている。
つまり、「軍事的必要」を使って違法性を阻却する理由としていることだ。
軍律の適用対象だったから、便衣の敗残兵殺害は違法ではない、「軍事的必要」があったので合法だ、
と強弁しているのが証拠だ。
軍律の適用対象でなかったら、わざわざ「軍事的必要」など出して違法性を否定する必要がない。
(『南京事件と戦時国際法』佐藤和男 五、結論的所見から)

※ その後、原剛氏は「軍事的必要」を完全に否定している。(『いわゆる「南京事件」の不法殺害』
   原剛 『日中戦争再論』所収 P144〜P145)

反対に、「中国兵は中支那方面軍軍律の適用対象ではない」と主張する歴史学者・研究者はいない。

以上、学者等の見解から「中国兵は中支那方面軍軍律の適用対象だった」ことは明白である。

これが Final Answer だ。

【結論】
「中国兵は中支那方面軍軍律の適用対象ではない」という主張は、間違いである。