亭主は茶席を設け、掛け軸や茶道具を誇示する。招かれた客は歯の浮くような
お世辞を言ってそれらを褒めたたえる。亭主は所属する流派に伝授された二次元的
作法に従い、抹茶をさも重々しく御茶碗に入れる。別途鉄釜でお湯をわかし、
昔百姓が田畑で振り回した肥柄杓 (こえびしゃく) のミニチュアでお湯をくんで
茶碗に注ぐ。それを竹を裂いてつくった道具 (茶筅) で撹拌して泡立て、列席の
客に回し飲みさせる。客は口に入れたものを八分目呑み込み、残りは茶碗にもどして、
茶碗を袱紗 (ふくさ)で拭く真似をする。袱紗は洗ってないものほど好しとする。
洗うと布が縮んで模様がいびつになるのでそれを恥とする。かくて末席の客になるほど
罰ゲームの悲哀は増す。

客は亭主や同席の客の所作に間違いがないか目を凝らす。見つけてもそしらぬ
顔をして、退席後尾ひれをつけて吹聴し、無上の喜びとする。

茶の湯の師匠はその流派に伝わる流儀を出し惜しみしながら弟子に教える。
弟子は疑問を挟まずにそれを必死で真似る。師匠は弟子に免状をちらつかせて
高価な茶道具や着物を売りつけ、裏収入とする。宗家は側近の家元へ流派に
伝わる作法を伝え、側近の家元は下位の家元へ、さらに末端の弟子へと伝授し、
この逆方向に上納金が流れる。国税庁の踏み込めない聖域である。

由緒ある骨董の鉄製茶釜で沸かそうが、ステンレスのポットに入れた物であろうが
お湯は H2O に変わりはない。どうしても水の味にこだわるなら、純石英製の
ポットで沸かすべきだ。貧乏人はせめてパイレックスのポットということになるだろう。
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