布袋が出てくる以前の日本人ギタリストはジミーペイジかリッチーブラックモア、マイケルシェンカーのうちの
誰かに強く影響されましたっていう感じのギタリストばかりだったけど、布袋は全く毛色の違うギタリストだった。
ソウルやファンクといったブラックミュージックからの影響は感じるのにブラックの根本たるブルースの要素を
ほとんど感じないというのが布袋の一番ユニークなところだと思うね。

布袋は2ndアルバム「インスタントラブ」の頃からスタジオワークを勉強するようになり、BOØWY後期はアルバムの
プロデュースも行うようになったように、ギタリストとしてだけ捉えるよりもプロデューサー、コンポーザー的要素の強いミュージシャンと考え方が実体が掴みやすそうだ。
布袋の敬愛するデヴィッドボウイそのものよりも彼の右腕として活躍したナイルロジャースとかブライアンイーノ辺りからの
影響の方が強い感じがするな。

BOØWY時代の布袋が制作したデモテープとか聴くとほぼ完成して驚く。
主旋律(歌メロ)もベース、ドラムも完成した後のトラックとほぼ同じ演奏。
HRやHMではメインコンポーザーがいてもバンドでのジャムセッションで曲を仕上げて行くのが普通だが、
BOØWYでは
布袋がほとんど完成させた曲をメンバーに渡してレコーディングというやり方が多かった。
氷室作曲の楽曲も布袋が編曲して仕上げていた。

このように、布袋からはギタリストとしての主張よりもプロデューサーとかコンポーザーとしての主張の方が大きく 
伝わってくるし、そっちの方に重きを置いていたようにも見える。
実際、BOØWY時代の布袋のギタープレイは驚くほどシンプルでソリッドだ。エフェクターを多用し、サウンドメイキングには
拘りを感じるけども、ギタープレイにはそれほどそれを感じない。

ギタリストとしての自我が芽生えたのはもっと後で、ソロ活動に入ってギタリズムを制作しはじめた頃ではないかな。