もう一つ、『Moment』とは一線を画していると感じるのは、そのカバーアートだ。
それはとてもゴージャスで、活気に満ちていて、印象的なもの。
暗いミニマルなグレースケールの『Fiction』のカバーの方が、『Moment』の内容をはるかによく表していると思うが、『Moment』自身のアートワークのバラエティに富んでいて活気に満ちているのは、このアルバムにぴったりだ。
Atomaのより単調なカバーと入れ替えた方が、それぞれのアルバムの内容をよりよく表しているように感じる。
アートワークが元Dark Tranquillityのギタリスト、Niklas Sundinによるものであることを考えれば、それは意味のないことだが、彼は各アルバムの雰囲気を表現するユニークな立場にあった。
しかし、このアルバムの中で最も記憶に残る部分の一つだからというだけで、それについて話す価値はある。

この10年間のDark Tranquillityの作品の多くは、「Moment」、そして「Melo-death」というよりも「Melow-death」と表現した方が正確かもしれない。
メタルには確かにメランコリーの余地があり、現代のIn Flamesのような「強制的な楽しさ」よりはマシだと主は知っている。

リリース当時はあまり評判が良くなかったが、2013年のアルバム『Construct』は、私が個人的に好きなアルバムで、Dark TranquillityのポストFictionの最高傑作をはるかに超えていることを証明してくれた。Atomaにも議論はあるだろうが、Constructのエレクトロニクスとポストパンクのスタイルを用いた独特で前例のない実験は、バンドのキャリアの中でより「成熟した」ステージへと前進するための方法を提供しながら、このアルバムを際立たせている。しかし、残念なことに、そのアルバムを際立たせた全ての要素はすぐに放棄されてしまい、Dark Tranquillityは自分たちや競合他社の影の薄い存在として生き続けることになってしまったのだ。