県教育局によると、2007年5月現在、公立と私立の特別支援学校に通う知的障害児は3561人、
肢体不自由児は931人で計4492人。1979年(計1947人)の約2.3倍だ。特に知的障
害児は05年以降、毎年200人以上のペースで増えている。文部科学省などによると、知的障害と肢
体不自由の子どもは全国で約9万人(06年5月現在)に上り、増加傾向にある。少子化が進む中で、
なぜ増えているのか。県特別支援教育課の吉田正・副課長は「障害の概念や範囲が変化してきたこと
が一因では」と指摘する。近年増加している注意欠陥・多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)
など「発達障害」の子どもは通常の中学校を卒業後、特別支援学校の高等部に進学するケースが目立
つ。養護学校(現・特別支援学校)への就学が義務化された79年以降、学校側は「学校公開日」を設
けたり、カリキュラムなどの説明会を開いたりと積極的に情報を公開。養護学校が社会に身近になり、
保護者も子どもに合った学校を選べるようになりつつある。医療技術の進歩や、障害者の社会進出を
促す「ノーマライゼーション」の理念が社会に浸透してきたことも背景にあると考えられている。
(2008年3月4日 読売新聞)
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