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受験のための勉強法という勉強法は特に紹介されていない、という印象である。
勉強法というより、人生に対する心構えの本であると思った。

勉強法があるとすれば、
・わかるところまでさかのぼること
・テストでできなかったところを徹底的に分析すること
・人は忘れる生き物、繰り返しやることが大事であること
・割り当てる時間で、勉強の内容を変えること(コマ切れ、電車の中、家でのまとまった時間)

ぐらいである。
特に真新しい内容はなく、勉強していた人は自然と実践していたと思う。

それよりは、心構えの方が参考になった。
勉強は手段であり、自分が決めたことや自分との約束を守り、
続けていくためのトレーニングであると理解した。
もちろん、勉強の目的は受験で勝ち残るためでもない、ということは、
高校や大学のときに肝に銘じておきたかった言葉である。

また、何かに打ち込んで自信を持つこと、これは中学や高校などの若い時にやっておくべきであることは、とても納得がいった。
自分自身がそうであったからである。
私の場合は、部活動に打ち込み、全国レベルで競ったぐらいのめりこんだ。
練習は楽ではないし、合宿では吐くまで走らされた。
しかしその分、やればできる、という自信ができたし、その自信が受験勉強や今の仕事でも支えとなっている。
これを社会人まで持っていないとすれば、壁にぶつかったときに乗り越えられず、諦めやすいかもしれない。
私は、あのときの吐くまで練習するのに比べれば楽なもの、と考えて仕事する。
だから、美達氏のことばはものすごくわかる。

別にすごい成績を残す必要はなく、自分自身で何かをやりきった、という思いと自信があれば良いと思う。
子供がいたら、こんな経験をさせられるような教育をしたい。
ただ、勉強がおそらく一番手っ取り早く、将来的にも勉強が一番リターンがあると思う。

美達氏自身、ストイックに自分の信念に則った生き方を貫いている方であることが、この本から伝わってくる。

今は29歳で、仕事やプライベートで迷いが出ている。
今の会社で良いのか、結婚はいつしようか、自分のやりたいことって何だっけ、などあやふやである。
氏を見習い、今までの自分の生き方も見直し、はっきりとさせて、突き進んでいきたい。