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書くか書かないか何日も悩んだ挙句、
結局どちらを選んでも後悔してまたレビューを消すか書くか悩む方だと思う。

今私のレビューを読んでピンと来た方はこの本を読んで、自分の状況を理解して欲しい。

この感性を理解できる、それこそ人間社会の中で生きられない繊細な感性を持った人間だと私は思う。

ドストは主人公を暗に貶しているし第三者の冷静な分析をしているかのような書き口だが、
どう読んでもドスト自身の本音だとしか思えない。一言でいうと考えすぎ病。

他者からのささいな批判や陰口、悪口、でっちあげの噂、品位を貶すこと全てにドストは耐えられなかった。
自意識過剰は、それを察する防波堤であるし、なるほど繊細な感性、本書でいえば高い知性の持ち主はそうせざるを得ない。
喧嘩両成敗の元、あまり傷つけない優しい関係であるがゆえに傷を自ら想像する地下室的人間の多い日本社会を生き抜く参考にもなる。

自己否定と自己肯定の一人無限循環。

人間は動物であって、まだ理性で生きられる存在ではない。(チェルヌイシェフスキー批判)

理性万能主義の現代人間社会を嘲笑う真実が、ここに。