>>104
 「之を要するに從來我國に於ては『主權』といふ語を以て言ひ表されたる所は其の意義に於ては國權の最高性を意味するものなり。
國權の最高性とは外に向かひて國家が國家以外の外の權力に依りて、制限せらるゝことなく、
内に於ては國家内に存する凡ての團體及び人民が皆國家の權力に服從するを要するを意味す。
從來の主權説が此の最高の權力を以て、君主又は國民に屬せざるべからずとなし、亦一定の内容を以て、
其の權力の缺くべからざる要件なりとなせるは皆觀念の混同より出でたる誤なり」

美濃部達吉博士著「日本国法學」總論、國法學の基礎觀念、國家の權力(五)主權の觀念 九十頁-九十一頁
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2385844