上で
>まともには説明の余地がない
と書いたことの補足でいうと、現政権の説明や合憲派の学者の説明でノーマルな解釈論をみたことがないと思うんだよね。
つまりは、9条2項の文言に即して具体的にどう解釈するのかという解釈論の展開がない。

でてくるのは、
・従来の政府解釈をさらに解釈するとこうだという「解釈の解釈」どまりで、9条2項との関係が説明されていない主張
  (ちなみに、言葉こそなぞっているけれど、趣旨は換骨奪胎にしかみえない)
・自衛権は国連憲章で認められた固有の権利だとだけいって、憲法との上下関係をどう考えるのか説明がない
・70年も前に制定されたものだから拘束力がない、みたいな、解釈論かどうか良く分からない主張。
・明確に禁止と書いてないから合憲だといいつつ、じゃあ9項2項をどう考えるのか説明無しの主張。
・砂川判決は集団的自衛権を認めているとかいう、読解力を疑わせるような主張。

というものばかりで、条文の文言・趣旨を正面から考えるという普通の解釈論の展開がない。

そういう意味で、現状の議論を見る限り合憲論は、そもそも解釈論としての議論を放棄しているとしかみえず、
合憲論を基礎付ける「説明の余地」は今後も出てきそうにないと思われる。