過去の刑事司法の実態が研究されるにしたがって、いかにずさんで犯罪的な刑事捜査が
おこなわれてきたかも明らかになったから、これが身体罰廃止の重要な論拠に挙げられるのは
しょうがない。じっさい江戸幕府が治外法権おしつけられる根拠にあげられたのが、日本の
刑罰に身体刑があり残虐だというのは重要な理由だったわけで。ただ、そういう歴史的経緯を
ごっちゃにして、現代の刑事司法を前提に「よって死刑は廃止すべき」とするのは巧妙に論点を
すり替えた詭弁なので、やっぱりこういう安易な論法で説得しようとすれば大衆は勘が鋭いから
すぐ怒りをもって対処されることになる。