〇〇とは共存できない、××は心から許せない、という感情は事実であり、公共の要請でも
あるんだけれども、現実には「痴漢とは共存できない」「らくがきは心から許せない」に対して
死刑を宣告することも法理的には可能となってしまうのだから、この観点からのみ死刑制度を
肯定するのはなかなか難しい。ドラコンの法みたいに落ちているリンゴを盗めば死刑、怠惰な
ものは死刑、というのもありえるので、罪と罰との考量は難しい問題だ。