宗教家は「死刑に値する犯罪が現実の行われうる」という事実には言及せず
ただ死刑制度は残酷だから廃止せよという。大衆派は制度運用の残虐さには
言及せず、死刑に値する犯罪が行われるかぎり死刑は存置すべきという。
仮に死刑に値する犯罪に対して国法が死刑をもって処罰しないのならば、被害者
遺族は国法を曲げ公共を煩わすことも厭わず私的報復に出る可能性があるだろうね。
その限りにおいて死刑は存置すべきというのがおれの意見。死刑というのは
公共を煩わせないための最低限の砦であって、過去に死刑制度を停止したことの
ある日本が、再開せざるを得なくなった事情をふまえた上で歴史的経験に沿うものだと思うよ。
なにも年間1000も2000も死刑にしろと言うのではない。せいぜい年間10人程度の
どうしようもない兇悪犯罪者に対する処罰として、残虐な見せしめとして執行せよという
話し。そういう人間を出してしまったこと自体を日本国民が恥じ入るべきことまで
踏まえて、死刑制度は存置すべきだろう。