リチウム高騰!トヨタが7年前に放った“先兵”
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/020900407/

EV(電気自動車)を1台製造して政府から補助金をもらい、その翌日にバッテリーを別のEVに移してまた補助金をもらう。
中国電池メーカー関係者は、中国で起こっている“いかさま”についてこう証言した。
2015年夏から2016年末までの約1年半で、リチウムの取引価格は3.5倍に跳ね上がった。
「日系メーカーの調達価格もこの1年でかなり上がっている」(日系大手商社の金属部門担当者)
「震源は中国、影響は全世界に及ぶ」「元素が買えない自国優先主義が招く危機」
主力車「プリウス」などのHVに多くのリチウムイオン電池を搭載しているトヨタは、意外にも全く動じていない。
なぜか。

2009年4月、豊田通商に金属資源部が立ち上がった。
クルマが電動化していくうえで、鍵になるのは電池とモーター。その2つに必要なのがレアアースとリチウムだ。
コバルト、銅、プラチナ、パラジウム、ロジウム、リチウム。
同年、南米調査を開始。目に止まったのがアルゼンチンのオラロス塩湖だった。
塩湖の権益を持っていた豪オロコブレと2010年に実現可能性調査の契約を締結。
資源量が640万トン。年間2万トン掘り出したとしても320年間掘り続けられる量だ。
事業会社の25%の株式と100%の販売代理権を取得。
2012年12月に本格建設に着手し、2015年7月、ようやくリチウムの出荷を開始。
現在、年間生産量は約1万7500トン。それでも世界需要の約10%のシェアを占める。