【まとめ】

純正バッテリーはノートパソコンのスマートバッテリーと同じような機能を持っていて
TIのバッテリー管理チップとSMバス(I2Cバス)で接続されたNECの8bit CPUがバッテリーの使用履歴を管理し
現状のバッテリーに最適な方法で充電するように充電器に伝えたり、セルが不良もしくは寿命と判断された
バッテリーは二度と充電しないように充電器に伝える優れものである

これだけの機能を提供するためにはそれなりの電力を消費するのだが、その電力は直列接続された
末尾のセル(マイナスに一番近い方)から3.7Vを供給する事で賄われた
その結果、末尾のセルの電圧だけが他のセルより低くなる傾向にあり、その低下した電圧が2.3Vに達した時
過放電保護が働き放電が停止するのであった

過放電保護による停止から復帰するためには3V以上に電圧を上げる必要があったがその手立てが
無いため不良というレッテルが貼られ、そのバッテリーは二度と充電できなくなった
 
高度な管理システムを維持するための電力を管理対象のバッテリーから取った結果
そのバッテリーの電圧が下がり、管理システムが過放電保護の観点からそのバッテリーを不良と判断し
結果として再起不能になるというなんとも本末転倒な設計に、笑いが止まらないのであった

そもそもこのような高度な管理機能はバッテリーの寿命を最大限まで引き出すためのものではなかったのか?
寿命よりはるかに早いタイミングで末尾のセルの過放電を検出し、再充電不能な不良品を産出し
充電回数が一定回数未満での故障なら交換してもらえることを知らない大多数の情報弱者な消費者に
新しいバッテリーを大枚はたいて購入させるというビジネスロジックはいかがなものか?

過充電保護、過放電保護、過電流保護といった最低限の保護機能をもつだけの安価な互換バッテリーに
消費者が思いを馳せてしまうのは当然の流れとはいえないだろうか?