>>10のまとめ
2018年1月、大分県の高齢者福祉施設でレジオネラ菌の集団感染で、90代の男性一人が死亡した。調査の結果、感染源は部屋の「超音波式加湿器」だった。
なぜ、「超音波式加湿器」だけが問題視されているかというと、それ以外の方式の加湿器は、たとえ貯水タンク内に雑菌が繁殖したとしても、その雑菌は“放出されない”。それに対して、超音波式は、貯水タンク内やその下にあるミストを発生させる霧化部(振動子)がある水槽に繁殖した菌が室内に“そのまま放出されてしまう”からだ。「腐敗した水を入れた霧吹きで、部屋全体にスプレーをしているようなもの」と考えれば、その怖さがわかるだろう。
しかも、病院内の除菌・殺菌を長年研究している山口東京理科大学薬学部の尾家重治教授によると、超音波式の加湿器は、作動後、霧化部がある水槽の水温が30℃付近に上昇し、雑菌の増殖に適した温度になるという。さらに、超音波の作用で、水道水中の残留塩素が急激に消失するため、雑菌がより繁殖する状況になる
アメリカ疾病予防管理センターの病院におけるガイドラインでは、「病室内での超音波式加湿器の使用禁止」を勧告している。