ネット上に出没する「荒らし」はナルシシストでサイコパスなサディストであることが研究により判明

「インターネット・トロール(荒らし)」とは、掲示板やコメント欄、チャットなど複数人でのコミュニケーションが可能な場所で、会話を中断させたり人を不快にさせるようなコメントを残すユーザーのことを指します。
そんな「荒らし」は、ナルシシストかつサイコパスかつサディスティックな性格の持ち主であることが研究により明らかになりました。

Trolls just want to have fun - trolls-just-want-to-have-fun.pdf
(PDF)http://scottbarrykaufman.com/wp-content/uploads/2014/02/trolls-just-want-to-have-fun.pdf

Internet Trolls Are Narcissists, Psychopaths, and Sadists | Psychology Today
http://www.psychologytoday.com/blog/your-online-secrets/201409/internet-trolls-are-narcissists-psychopaths-and-sadists

インターネットのコメント欄などに必ず出没するといっても過言ではない「荒らし」は、必ずしも目的を持って他人のコメントに反応しているわけではなく、
ただ周りからの反応が欲しいという理由でウソをついたり、仰々しい言葉を並べたりします。

「こういった荒らし行為を行う人には何か特徴があるのか?」ということで、マニトバ大学のErin E. Buckels氏、ウィニペグ大学のPaul D. Trapnell氏、ブリティッシュコロンビア大学のDelroy L. Paulhus氏の3人が調査を行っています。
調査では、1200人以上の被験者を対象にして、「性格調査」と「インターネット上でコメントを残す際の行動調査」を行いました。
これらのデータを基に、「荒らし」を好む人の性格特性と「ダークテトラッド」の関連性を調べた結果が以下のグラフ。
ダークテトラッドとは、性格特性の中でも重複する部分の多い
ナルシシズム(自己愛、自己陶酔)
マキャヴェリズム(目的のためには手段を選ばない、という考え方)
サイコパシー(精神病質、精神病質者のことをサイコパスと呼ぶ)の3つに、サディズム(加虐性欲)を加えた性格特性のまとまりです。

「インターネット上でコメントを残す際の行動調査」で明らかになったユーザーの行動5つが
「コメントしない(No-Commenter)」
「議論する(Debating Issues)」
「チャットする(Chatting)」
「荒らす(Trolling)」
「その他(Other)」
で、これらの行動を好むインターネットユーザーのダークテトラッドとの関係性を表しており、赤がマキャヴェリズム、緑がナルシシズム、オレンジがサイコパシー、紫が直接的なサディズム、青が代償的なサディズムといった性格特性を表しています。

数値は性格特性との相関関係の強さを表しており、「荒らし」を好む人とダークテトラッドと呼ばれる性格特性の間には、明らかな相関関係が存在し、これは他の行動を好むユーザーとは明らかに異なる数値であったことが分かります。
この結果について研究者は、「インターネット上の『荒らし』は典型的なサディストです」と述べています。

研究によれば、荒らしやサディストは他人の苦痛に喜びを感じるもので、「インターネットはサディストの絶好の遊び場である」と言及しています。
なお、Psychology Todayがオススメする「荒らし」への対処方法は「無視すること」だとのこと。