■あの人はいま 元高校野球最多本塁打記録保持者 清宮幸太郎さん(28歳)

2027年、夏の甲子園決勝。 それを、TVで見つめる男がいた。
18歳で将来を嘱望されプロ野球選手になった、清宮さんは今……

「あの頃は若かったですね(笑)」
若き日を回想する清宮は、どこか寂しげだ。
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。甲子園決勝で、俺が逆転サヨナラ満塁ホームランを打って優勝する夢を」

早稲田実業を卒業、ドラフトで11球団に指名されるも、くじを当てた中日の指名を拒否し浪人を決意、社会人野球に活躍の場を求めた。
その後、裏金を受け取り巨人に入団するも、故障がちになり、若手や新加入選手の台頭に押され目立った活躍はできず26歳の若さで自由契約に。
巨人退団後、夢であった大リーグに挑戦するも、マイナーリーグの初打席で自打球を両足に当てて複雑骨折。志半ばで失意の帰国となった。
完全に世間から忘れられた存在となり、ひっそりと引退を決意。その際、自殺も考えたという。
しかし、今はカレー専門店を営む傍ら、地元の少年野球団のコーチを勤めている。