今回のレースを目標に調整されているキズナの馬体写真を見たとき、軽い衝撃を受けました。
えげつないほどに盛り上がった筋肉は、これが本当にキズナか――と目を疑うほどでした。
昨年秋、フランスへ行って馬体を観察した際、線の細さが消えてだいぶ大人っぽい身体になってきたな、とは思いました。
しかし、今回ほどの迫力は感じませんでした。
日本ダービーから20kg増えたうち、半分以上は年明け以降のトレーニングで身につけた筋肉ではないかと思います。

エピファネイアを直線で並ぶところなく抜き去ったのは、ライバルに問題があったというよりキズナが凄すぎたのだと思います。
昨年春の段階では甲乙つけがたい2頭でしたが、ハイレベルなメンバー相手に揉まれた経験の有無、その後の成長力に差があったと考えるしかありません。
ジャスタウェイ、ジェンティルドンナなどと激突する宝塚記念は、JRAは予算を割いて海外向けにプロモーションしてもいいのではないでしょうか。
国際的に日本馬の存在感が急速に高まっている現在、取材や観戦に訪れたいという層はわずかながらでも存在するのではないかと思います。

底力あふれるヨーロッパ血統がもたらす成長力。
キズナのなかに眠っていた資質がここにきて花開いてきた感があります。
昨年の凱旋門賞ではオルフェーヴルに3kgもらって2馬身ちょっとの差。
その後の成長を加味すると、すでに当時のオルフェーヴルと大きな差はない、という見方もできます。
これが完成形ではないでしょうから、まだまだ強くなると思います。