【田辺裕信 ゆる〜い話】競馬界の二刀流、オジュウに福島競馬場は大フィーバー

田辺裕信騎手
 先週の福島競馬場は障害レースの王者、オジュウチョウサンの平地挑戦で盛り上がりました。
 報道されていたように、かなりのフィーバーぶりで多くのお客さんが競馬場を訪れました。
これほど福島にお客さんが入ったのは、少なくとも僕が騎手になってからはなかったように思います。GIがあるのか、という雰囲気でした。
 僕自身は同じレースには乗っていなかったんですけど、面白いなと思っていました。結果が出なかった平地に再び戻ってきて通用するのか、とても興味深かったですよね。
 平地では未勝利を勝てなかったわけですけど、今回はその上の条件となる500万下。
騎手仲間の間でも、「勝てるんじゃないか」という声と、「やはり平地と障害ではペースが違うから無理なんじゃないか」という声と、ほんと半分半分に分かれていた感じでした。
 結果は圧勝−。障害を走ることで力を付けたこともあるのでしょうし、もともとは気難しさがあったと聞いていますので、いろいろな経験をすることで走ることに対して前向きになったのでしょう。今回の挑戦で、新しい競馬の面白さを感じさせられたように思います。競馬界の二刀流という声もありましたけど、僕は陸上100メートルのボルトが、サッカーに行くくらいの挑戦のように思います。
 オジュウチョウサンのぬいぐるみがかなりの人気ということみたいですけど、ここから競馬がさらに盛り上がってくれればと期待します。