ディープインパクト禁止薬物検出事件とは、フランスのロンシャン競馬場にて2006年に行われた競馬の第85回凱旋門賞において、
日本の池江泰郎調教師の管理馬・ディープインパクトの馬体から禁止薬物であるイプラトロピウムが検出され、失格となった事件である。

概要

2006年10月19日に、レース後の理化学検査で「ディープインパクトの体内から禁止薬物イプラトロピウムが検出された」とフランスの競馬統括機関であるフランスギャロが発表した。

この発表を受けて、日本中央競馬会(JRA)の高橋政行理事長は
「栄誉ある凱旋門賞に汚点を残す結果となり、誠に残念でなりません」という趣旨の内容の発言をした。
この発言はJRAのサイト内にある2006年10月19日のJRAニュースに、平成18年10月19日付けの発表として掲載されている。

ディープインパクトは前年の2005年に1984年のシンボリルドルフ以来となる無敗での牡馬クラシック三冠制覇を達成し、当年も天皇賞・春、宝塚記念を優勝。JRAとしては久々のスターホース候補が出現したということで同馬のPR活動にはかなり力を入れており、
日本ダービー当日にはレース前にもかかわらず同馬の銅像を展示したり、凱旋門賞の前にはJRAが主催するレースでないにもかかわらず、
「凱旋門に衝撃が走る」「世界のディープを見逃すな」というキャッチコピーを使った同馬のCMも頻繁に流していたという経緯もあったのだが、
そのディープインパクト自身から禁止薬物が検出されて、日本中が注目したレースで失格になると言う皮肉な結末となってしまった。