ばあちゃん家には倉がある。
俺は中に入った事ないし、今思い返したら誰かが入って行く所も見た事がない。
全く使われていない倉。

子供の頃、その倉で俺はある遊びを発見した。
倉には鉄格子の窓が付いていて、中は真っ暗で何も見えないんだが、覗き込むといつも
「ブーウウウウーーン」
という耳鳴りが鳴って、ほんの数秒くらい意識を失い、膝から崩れ落ちた。
何回やっても必ず意識を失ってたから、面白くなってきて何度もやりまくってた。
中学生の頃は、ばあちゃん家に行くたびに「あっ あれやりに行こ!」って思い出して一人でその遊びをやってたわ。
単なる物理現象だろうし、特に不思議な事でもないんだろうと思って誰にも言った事なかったけど、ふと思い出したんで書いとく。