0007名無しさん@実況で競馬板アウト
2022/06/21(火) 20:17:04.97ID:jgSSbDyq0どれくらい経ったろうか、エフフォーリアははっと目覚めた どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい藁の感覚が現実に引き戻した 「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」
エフフォーリアは苦笑しながら呟いた 立ち上がって伸びをした時、エフフォーリアはふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」 地下馬道から飛び出したエフフォーリアが目にしたのは、最奥まで埋めつくさんばかりの観客だった 千切れそうなほどに馬券が振られ、地鳴りのようにおじさんの怒号が響いていた どういうことか分からずに呆然とするエフフォーリアの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた 「エフフォーリア、返し馬だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったエフフォーリアは目を疑った 「た・・・武史さん?」 「なんだエフ、居眠りでもしてたのか?」 「こ・・・コントレイル種牡馬?」 「なによエフ君、勝手にコントレイル君を引退させちゃって」ムキッ 「グランアレグリアサン...」
エフフォーリアは半分パニックになりながらターフビジョンを見上げた 1番:コントレイル 2番:カデナ 3番:モズベッロ 4番:ローズ 5番:エフフォーリア 6番:トーセンスーリヤ 7番:ワールドプレミア 8番:サンレイポケット 9番:グランアレグリア 暫時、唖然としていたエフフォーリアだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった 「勝てる・・・勝てるんだ!」 ポタジエを抜き去りゴールへ全力疾走するエフフォーリア、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、馬房で冷たくなっているエフフォーリアが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った