【田辺裕信のゆる~い話】馬を追うのは腕ではなく脚! レース後は全身に疲れが…
2024/02/28 04:48

競馬を走る馬も大変ですが、乗っている騎手も1レース騎乗すると結構疲れます。パドックから返し馬、待避所からゲート裏に移動。そしてスタートしてゴールする。馬を止めて、引き返して、検量室前に戻ってくるのが一連の流れですが、その距離が長い競馬場は大変なのです。

馬場の大きい東京の方が中山より大変ですが、中山は検量室からパドックまでの移動距離が長いのが特徴です。だからといってレース間隔に余裕があるわけではありません。
なので意外と大変です。一連の流れでは、馬を走らせて、止めて、また走らせるを繰り返します。騎乗数が多いと、結構こたえます。

レース中には、1馬力を相手にコントロールしなければなりません。個人的には、力ではなくバランスをはじめ、さまざまな工夫で馬をコントロールするのが良いと思っています。
競馬に乗っていて疲れるのは脚です。馬を追うのは、腕ではなく脚なんです。全身を使って馬をコントロールしているので、息も上がりますし全身に疲れを感じます。とはいえ、馬を力で抑えたり、追ったりする感覚はないんですけどね。

もちろん、ただ漠然と乗っているわけではないですし、さまざまなことを考え、意識しています。そこで瞬時に判断しなくてはなりません。暑い時季には1レース騎乗すると体重が1キロ近く減ることもあります。レースに騎乗する激しさを理解していただけるかと思います。

(JRA騎手)

https://www.sanspo.com/race/article/general/20240228-NOHCNDEFTVM2HALRQHQUTURZIU/