牝馬クラシック第1弾の桜花賞(G1、芝1600メートル)が7日に阪神競馬場で行われる。有力馬の多くをノーザンファームをはじめとした大手牧場出身が占める中、日高の市場で400万円未満で買われた馬が、人気を背負って大舞台に臨む。

 トライアルのチューリップ賞を制したスウィープフィート(牝3、庄野)は、22年1歳サマーセールで385万円(税抜き350万円)の廉価で落札された。祖母に宝塚記念などG1を3勝したスイープトウショウがいる血統ながら、競り上がらずに、ひと声で決着した。落札したYGGオーナーズクラブの福原聡代表は、目を付けた理由をこう明かす。「セリですごくいいという印象はなかったが、父のスワーヴリチャードは個人的に成功しそうなイメージがあったので、クラブのラインアップにどうしても加えたかった。価格が高いクラブではないので予算は低め。(ひと声で落とせたのは)ラッキーでした」。

 セールの時点で父スワーヴリチャード産駒はデビューしておらず、種牡馬としての評価が不明な時期。最高価格が4620万円、平均価格が688万円だったこのセールで、下位3割に入る。

 ところがチューリップ賞を終えた時点で、本賞金だけで7160万円を稼いでいる。

YGGオーナーズクラブで、スウィープフィートの募集価格は総額990万円(1口1万9800円×500口)と、こちらも安い。「育成して2カ月でグンと上がってきた。2歳の年明け時点では相当で、思った以上の成長力。サンデーサイレンスの3×4、リファールの5×5と、今の日本競馬に必要な要素も入っている」。同代表はもちろん、満口の会員が、そして末脚に魅せられたファンが歓喜のゴールを待ち望んでいる。

 ◆YGGオーナーズクラブ 設立6周年を迎えるクラブ法人で、勝負服は赤と黒が基調。荻伏レーシングクラブ(カリブソング、オギティファニー)、ブルーマネジメント(ブルーショットガン、ブルーコンコルド)の流れをくみ、2018年に現在の社名に変更された。代表馬には現役のドライスタウト(牡5、21年全日本2歳優駿、23年武蔵野S)がいる。