漢字には名詞とか動詞・形容詞といった品詞の区別もない。人称もないし、
過去・現在・未来の時称もない。能動態や受動態といったものもない。
品詞の区別がないのだから漢文には主語-述語-目的語とか、形容詞-名詞といったような
一定の語順もない。つまり漢文には文法というものがない。加えて漢字についている音は
いわば、その文字の名前である。そのため、漢文を一字一字越えに出して読み上げても
それを聴く中国人にはふつう意味がわからない。こうした特性のため漢字は意味の微妙な
ニュアンスを表すことができない。人間が感情を表現する話し言葉と直接結びついていない為
漢文ではごくおおざっぱな表現しかできない。

実は話し言葉と直接結びつける為日本のように表音文字として一部ローマ字を導入する案もあったが
言語の違いが明らかになり、漢民族として統一性が保てないと判断され断念したのだ。
プロパガンダやスローガン言語しては使えるが文学には不向きな文字。