「中国語の動詞や形容詞は,典型的には名詞が充当するような文成分になれ
る。つまり中間語の動詞や形容詞は主語になることができ,目的語になること
ができ,連体修飾語の修飾を受けることもできる」
これは中国語学では常識に属することだが,特にこのことを教室の授業で披
露することはなかった。たとえば,“研究,回答,学習,結婚"という語があ
ると、中国語ではこれは第一義的には動詞である。日本語では名詞とみなされ
る。日本語でどういう品認になるかは,もちろん,中国語の知ったことではな
い。中間語の文法は中国語の論理で構成される。

このような現象は中国でもこれまで「名物化」などと呼ばれてきた。さらに
一般の中麗人の教師でも,これらを名詞であると思っている人が少なくない。
どうしても常識的な感覚と語学界が獲得したシンプルな原理「一品詞多機能」
という考え方とは乖離がある。