「傳へる寶物にして財産に候ふ」

この口語訳は「先賢の皆さまから伝わった宝物であって財産です。」


>>201の訳では、「り(完了・存続)」を、受け身の「る」だとカンチガイしているし、「にして」を忘れています。


ちなみに、>>201の口語訳になるためには、
受身「らる」の連体形「らるる」を用いて「傳へらるる」
さらに「たり」「き」を加えて「傳へられたる」「傳へられし」などとなっている必要があります。


「生み出すことができる」は
「生み出づべからむ」「生み出づるをもうべからむ」



さらに、この文に関して言うと、
「手によらば」という表現もおかしい。
「…がゆゑなり」が対応する語か示されていない(蓋しの入る文は、完成した形でなくてはなりません)のも致命的なので、こうするのがいいでしょう。

「蓋し、然も言ふべからむ所以は、我らが言葉の、其の巧者によらばいかにも霊験なる技をも産み出づるが可となるがゆゑなり」