延慶本平家物語での敦盛の最期の場面、敦盛の容姿を描いた部分でどうしても読解できない
箇所がありましたので、どなたか教えてください。

【原文】
熊谷こしがたなをぬいて、うちかぶとをかかむとてみたれば、十五六ばかりなるわかうどのいろしろく
みめうつくしくして、うすげしやうして、かねぐろなり。
せんけんたるりやうはつは秋のせみのはねをならべ、ゑんてんたるさうがはゑんざんの色にまがへりなむ
ど云も、かくやとおぼえてあはれなり。

【自分なりに分かる部分に漢字を当てはめるなどしてみました。】
熊谷腰刀を抜いて、内兜を掻かむとて見たれば、十五六ばかりなる若人の色白く
見目美しくして、 薄化粧して、鉄漿黒なり。
嬋娟たるりやうはつは秋の蝉の羽を並べ、 宛転たる双蛾は遠山の色にまがへりなむ
ど云も、かくやとおぼえてあはれなり。

・嬋娟たる ⇒ あでやかで美しいさま
・宛転たる ⇒ @言葉・声などがよどみなく、なめらかに発せられるさま
          A緩やかな曲線を描くさま。特に、眉がゆるく弧を描いているさま
・双蛾   ⇒ 美人の眉
・遠山の色 ⇒ 遠山の眉:遠山の色のようにうっすらと青い眉。美人の眉をたとえていう。

【不明箇所】
“嬋娟たるりやうはつは”の部分の“りやうはつ”の意味が分かりません。
りやうはつ⇒りゅうはつ⇒柳髪
とも考えましたが、柳髪の意味が「女性の髪の美しさを柳の枝にたとえた語」とのことなので、
男性の敦盛に使用するのは違うのではと思います。
一方で、“双蛾”も本来女性に対して使う語だということを考えれば、“りやうはつ”はやはり“柳髪”で、
文章の意味は
「あでやかで美しい女性の髪は、まるで秋の蝉の羽を並べたかのようだといい、
美人の眉はまるで遠山のように薄っすらと青みがかっているというが、
まさにこの少年のようなことをいうのか、と思い、かわいそうになった」
という解釈となるのでしょうか。