以下『古文解釈のための国文法入門』(松尾總、研究社学生文庫、昭和27年)序説冒頭より引用。

 諸君は次の問に答えられるか。もし答えられないのだったら、この本をよむ必要があるだろう。
何故といえば諸君は、古語について極めて初歩的な知識さえもしっかり身につけていないことが
確かなのだから。

〔問題〕次の中古(口語)文または上古(口語)文を正確な現代(口語)文に言いかえよ。
 中古(口語)文または上古(口語)文   
(イ)花咲かむ。(ロ)花咲くらむ。
(ハ)花咲きなむ。(ニ)花咲かなむ。
(ホ)花咲きけむ。(ヘ)花咲きけり。
(ト)花咲けり。 (チ)花咲けりけり。
(リ)花咲きぬ。(ヌ)花咲きにき。
(ル)花咲きたり。(ヲ)花咲きしか。
(ワ)花こそ咲きしか。
(カ)花こそ咲かな。
(ヨ)花こそ咲かね、春は来にけり。
(タ)花咲かね。(上古文)
(レ)花咲きね。(ソ)花な咲きそ。
(ツ)花咲かず。
(ネ)花咲かざり。(ナ)花咲かじ。
(ラ)花や咲かまし。
(ム)花だに咲く。
(ウ)花だに咲け。
(ヰ)花さへ咲く。(ノ)花咲かむや。
(オ)花咲かめや。
(ク)水流れぬ。(ヤ)水ぞ流れぬ。
(マ)水流れぬべし。
(ケ)水流るゝなり。(フ)水流るなり。