別スレと重複するけど、戦前までは漢字教育改革が熱心に行われていた。

明治5年、富国強兵策の柱の一つである「学制」が施行された際、
幕末に漢字御廃止之議を前将軍に提出していた前島密が、
「学制御施行に先ち国字改良相成度卑見内申書」を岩倉右大臣と大木文部卿に提出し、
福澤諭吉は「文字之教」のなかで、徐々に漢字を廃止して仮名を用いるべきであると主張するが、
その後も様々に国字教育に関する研究が続けられる。

その結果、明治32年、後に総理大臣となる原敬らによって漢字節減に関する具体的な方針が発表され、大正12年には常用漢字表が公布され、1962字が常用漢字と定められる。
さらに改革は進み、
昭和6年常用漢字1858字。
昭和17年常用漢字1134字。
と戦前は常用漢字を減らしていた。


敗戦後は一気に常用漢字を増やす。
昭和21年、常用漢字を当用漢字として1850字公布。
現在では常用漢字としてさらに数が増えて2136字。

現在の国語教育の乱れは、漢字の増加によるものかもしれない。

常用漢字を、戦前までのように減らすことで、
日本人の漢字力低下に歯止めがかかるはずだ、と主張する者も少なくはない。

まぁ、今のところ、私自身は漢字節減論、漢字廃止論に賛成するわけではない。


ちなみに、繁体字を誇る中華民国の人々が、繁体字を中国国語と定めたのは、
日本の明治維新による、国字国語統一(中国との差別化)に感銘を受けて、それに倣ったのだそう。

それなのに、日本人自らが、自国の国字国語を否定して、中国国語に倣えと叫ぶとは全く言語道断な愚行だ。