白川静…尋常小学校卒業後、独学で漢学を研究。働きながら勤務先の立命館で学位を取得。
我流の説を打ち立てるも、漢学権威・専門家からは容れられず。


<白川は、甲骨文字や金文といった草創期の漢字の成り立ちに於いて宗教的、呪術的
なものが背景にあったと主張したが、実証が難しいこれらの要素をそのまま学説とす
ることは、吉川幸次郎、藤堂明保を筆頭とする当時の主流の中国学者からは批判さ
れ、それを受け継いでいる阿辻哲次も批判的見解を取っている。>

<白川は、殷周代社会の呪術的要素の主張に加え、万葉集などの日本古代歌謡の呪術
的背景に関しての論考もしているが、専門家の支持を受けているとは言いがたい。>


<中国古代学者で東京大学名誉教授の加藤常賢 (1894-1978) は、晩年講義で白川の
『漢字』を罵倒していたといわれる。>