>>80-81
文語においては平安末期に類推にて定められた「用ふ」表記は正解。

「き」は断定、確信的(事実として記憶(認識)している)過去。

「けり」は感想、回想、伝聞の(「…たのだよ。」「…たそうだ。」といった意味の)過去。

堀河殿、御病重くならせたまひて、今はかぎりにておはしまし(し)ほどに、ー『大鏡』
少将起きて(略)よろづの物食へども、なほ五条にてあり(し)物は、めづらしうめでたかりきと…−『大和物語』
母にてありし人の…と問ひ申され(し)に、「…」と答へ給ひ(き)。ー『折りたく柴の記』