地上波でヘイトを垂れ流した「ニュース女子」
2017年1月22日
辛淑玉

 1月2日に放送されたTOKYO MX「ニュース女子」は、とにかく酷かった。
 見ていて、こみ上げる怒りを抑えるのがこれほど難しかった経験はかつてなかった。胃液があがってきて、何度も吐いた。その後も、何気ない会話の中で突然涙が出てきたり、幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。
 私が、この番組の放つ悪意に冷静に向き合えるようになるまでには、時間が必要だった。友人や報道陣からの問合わせに簡単な返信すらできなかったことを、この場を借りてお詫びしたい。

 いま、可能な限り、私の思いを言葉にして綴りたいと思う。

※           ※

 「ニュース女子」の手口は、基地反対運動について、徹底的にニセの情報を流すというものだ。

中略

 私も、沖縄の人々も、平和を希求する者は、一方的に攻撃されているのに、それが被害であること、ヘイト・スピーチであることを、被害者の側が実証しなければならないという理不尽な立場に立たされる。私は、毎日仕事をしながら、家族の介護をしながら、シェルターを運営しながら、怒りを抑えて問題を冷静に見つめ、膨大な時間を費やしてBPOに提出する文書を書かねばならない。

その必要がなければできたはずの、睡眠時間や、家族・友人との大切な時間、幸せ、楽しみといった人生本来の意味をも、一方的に奪われている。相手を嫌でも闘わざるを得ない立場に追い込み、休息する権利、声を上げる権利を奪うのは、それ自体が人権侵害なのだ。そしてこれは私だけのことではなく、沖縄の人々が置かれている状況も同じだ。

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