私は、大阪弁護士会で綱紀委員をしています。もうあと少しで終了です。
 これは、内容は守秘義務があるので、具体的事案は「コラムのテーマ」にはなりようがありません。
 しかし、どのような類型があるか、一般論は言えます。
 まず、圧倒的に多いのが、単なる「クレーマー」「リピーター」です。
 「クレーマー」「リピーター」の「あしらいかた」は各機関により違います。
 裁判所は、応答義務がありますから、印紙が貼っていれば、「どのような事件でも」事件として立件しなければなりません。
 行政官庁は「陳情」とみなして無視して応答しません。
 弁護士会も、どんな「ばかげた」懲戒申立書でも、番号をつけ審議します。印紙代はいりません。
 ですから、裁判所には、行政官庁から相手にされない訴訟マニアが、訴訟を提起することがあります。あまりに訴訟を起こすので、受付係の事務員が、訴訟マニアの名前の「ゴム印」をつくっていることがあるくらいです。
 弁護士会も「一応」決議をします。
 大阪の場合、綱紀委員会が明らかな「リピーター」などの「言いがかり」と判断したものについては、弁護士会嘱託(大阪弁護士会会員の若手・中堅が選任されます)に、
本来綱紀委員がしている、いろいろ事務的なことをして、最終的に、綱紀委員会が「審査を求めない」という決議をなして終わりとして、綱紀委員会委員に無駄な労力をかけない仕組みにしています。
 ちなみに、上記類型の事件以外は、綱紀委員のうち主査委員(中堅・ベテラン)が、審問、調査、決議文の起案をして、綱紀委員会の決議がなされます。
 割合からすれば、圧倒的に「クレーマーの数が多い」というのが「私の実感」です。
 ちなみに「言いがかり」と判断したときは、起案するときは、定型的文言ですませて省力化を図ります。
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