【萬物相】文在寅の股くぐり
記事入力 : 2017/09/12 09:59

 漢の劉邦が項羽を倒し天下を取ることができた理由の一つに、
3人の優れた部下がいたことがあげられる。その一人が百戦百勝の将軍・韓信だった。
韓信はマケドニアのアレクサンドロスやフランスのナポレオンに匹敵する名将だったが、
一方で数々の故事でもその名が知られている。韓信がまだ若かったある日、大きな刀を
持ち歩いたため、村のチンピラたちが文句を言い「股の下をくぐれ」と要求した。
これに韓信は何事もなかったように言うことを聞いた。いわゆる「韓信の股くぐり」だ。
誰もが韓信を臆病者と笑ったが、韓信は黙っていた。
後日、大事をなすには今の怒りに耐えることが大切と考えたからだ。

 韓国与党「共に民主党」の金慶洙議員が一昨日、自らのフェイスブックに、
ある週刊誌記者の文章を紹介した。文在寅大統領の最近の心境を紹介するもので、
それによると最近の北朝鮮への対応を巡る文大統領の思いは
「今の屈辱に耐え、北朝鮮に対する最低限の抑止力を確保するため、
米国の股下をくぐるようなもの」だという。しかも股くぐりだけでなく、
米国が「ほえろ」と言えばその通りにほえているそうだ。
表現が非常に低俗だったこともあり、この記事は大きな話題になった。
「韓国は股の下をくぐってほえるような国か」という批判も相次いだ。

 金議員にもそれなりの事情があった。文大統領は最近、米国の最新鋭地上配備型
迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備するなど北朝鮮への圧力を強め
ようとしているが、これに文大統領の熱烈な支持者たちが不満を持ち始めているからだ。
例えば丁世鉉元統一部長官は「文大統領は日本の安倍首相のようになりつつある」と
批判した。市民団体の「参与連帯」や全国民主労働組合総連盟(民主労総)なども
「朴槿恵前政権と何も変わらない」と不満を口にしている。そのため文大統領の
腹心の部下とされる金議員が何らかの説明をせざるを得なくなったのだ。金議員は
「大統領を信頼してきたのなら、なぜ今あんなことをしているのか一度考えてほしい」
と呼び掛けた。

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