UAEの原発遅延補償金説、韓国政府が否定
記事入力 : 2017/12/25 10:16
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 アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電1号機の完成予定時期が
今年5月から来年に延期されたことに関連し、韓国側のミスで建設が遅延したため、
最大で2兆ウォン(約2100億円)の遅延補償金が発生する可能性が指摘されている。
韓国政府は工事遅延が韓国側とは無関係だとして補償金発生を否定している。

 韓国大統領府(青瓦台)の任鍾ル(イム・ジョンソク)秘書室長のUAE訪問を
めぐっても、韓国政府が訪問目的を明らかにしなかったため、原発遅延問題と
関連があるのではないかとの疑念を生んでいる。こうした中、政府関係者は
「実際の遅延理由は原発の運転そのものに関するものではなく、細部の内容変更だ」
と説明した。

 政府関係者は24日、UAE原子力規制庁(FANR)が今年5月、バラカ原発1号機の
運転免許付与を延期し、年内稼働開始の計画も来年に延期されたとした上で、
「主な理由は原発外部の安全強化などに対するUAE側の安全・保安審査が遅れたためだ」
と述べた。遅延の事実自体は既に国内外に知られている。
同関係者は「バラカ原発1号機のうち韓国側の担当部分は建設が完了しているため、
巨額の遅延補償金が生じるとの疑惑はとんでもない」と語った。
事業を統括している韓国電力公社は「建設過程には問題が全くない」と強調した。

 バラカ原発事業の受注額は186億ドル(約2兆1100億円)だ。
韓電はUAEの首都アブダビの西270キロメートルにあるバラカ地区に
出力140万キロワットクラスの新型原発4基を建設している。
1号機は工事が96%完了し、来年完成。2020年までに残る3基も稼働する予定だ。

 また、UAEをめぐっては、李明博(イ・ミョンバク)政権当時に結んだアブダビでの
石油鉱区開発契約から韓国が撤退しようとしたため、UAEが遺憾を表明したとの疑惑も
浮上している。これについて、関連政府系企業は「事実とは異なる」と反発している。
韓国石油公社とGSエナジーは2012年3月、アブダビ国営石油会社(ADNOC)と未開発油田
3カ所の開発契約を結んだ。石油公社関係者は「アブダビの3鉱区事業は問題がない。
監査院からカナダのハーベスト鉱区買収、英ダナ・ペトロリアムの買収などについて
問題点を指摘されたが、アブダビの鉱区開発は指摘を受けていない」と話した。
共同開発者であるGSエナジーは「12年に開始したアブダビ鉱区開発事業では、
第1鉱区は商業的開発に成功し、1日当たり5万バレルの原油を韓国に輸入している。
残る探査鉱区は19年ごろに商業的開発が実現するとみられる」と説明した。

金城敏(キム・ソンミン)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/25/2017122500511.html