北朝鮮の資金源、制裁下でも断たれない理由
合弁禁止期限が来ても数十社が撤退せず
By Ian Talley
2018 年 1 月 15 日 15:16 JST

 世界の企業は先週、北朝鮮で運営している合弁事業から撤退する期限を迎えた。

 だが専門家の話では、数十社がまだ存在し、北朝鮮とのつながりが見えにくい
不透明な形態で運営されているという。それが北朝鮮に多額の収入をもたらし、
金正恩朝鮮労働党委員長率いる「ならず者国家」への金融制裁の効果を弱めている。

 「国際的な制裁強化で一段と孤立しているにもかかわらず、
北朝鮮の経済は引き続き機能している」。技術企業Kharonで企業の制裁関連リスクを
調査した元米財務省当局者のベン・デービス氏はそう指摘する。

 ここ数カ月、国連安全保障理事会と米国はいずれも対北朝鮮制裁を強化している。
その一環で、金政権の核兵器開発計画を阻止するため、合弁事業を禁じる
新たな措置を講じた。だが抜け穴だらけのルールであることが判明している。

 国連と米当局は、合弁禁止措置に違反した企業を公表していない。
だが当局者は、中国やマレーシア、シンガポール、香港などの企業が
密かに北朝鮮との商業的関係を続けていることに強い警戒感を抱いている。

 合弁事業の一部は、北朝鮮に巨額の利益をもたらしているようだ。
例えば、米政府の報告書によると、年間数十億ドル規模の違法なたばこ取引の
相当な部分を北朝鮮が占めているという。