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制裁違反を野放し

 北朝鮮と世界との結びつきは、国連制裁措置を加盟国に守らせるうえで直面する困難を
浮き彫りにした。制裁の実施報告書を義務づけられているにもかかわらず、
数十カ国がいまだに提出していない。国連の調査担当者は、制裁違反の疑いや証拠に
十分対応していない国が多いと嘆く。国内の法施行機関が弱いか、これと競合する
政治的・法的な優先課題を抱える加盟国が多く、制裁違反者を野放しにしているのが
実情だとアナリストは指摘する。

 北朝鮮との関係を維持するタイの企業もある。チャロン・タイ・ワイヤー・アンド・
ケーブルは、朝鮮郵便通信公社との2つの合弁事業を通じ、
同国でインターネットや電話、ケーブルテレビ(CATV)サービスを提供している。

 チャロンは2016年の年次報告書で、北朝鮮の携帯電話事業者「北東アジア電話通信会社」
とタイの合弁企業に25%出資しており、北朝鮮のインターネット接続事業者「スター・
ジョイント・ベンチャー」のパートナーである香港企業に20%出資していると述べた。

 同社はコメントの求めに応じなかった。タイは2009年以降、
制裁順守に関する報告書を国連に提出していない。ただ、駐米タイ大使館の広報官は
「北朝鮮に関する国連安保理決議の完全実施に注力している」と述べた。