在韓米軍が忘れた最大の恩恵「無料の土地代」
トランプ米大統領は韓国の負担増を求めるが、最も大きな貢献は駐留費の計算から除外
By Jonathan Cheng and Yun-hwan Chae
2018 年 5 月 14 日 13:03 JST

 【ソウル】ドナルド・トランプ米大統領は、韓国側に米軍の韓国駐留経費の負担比率を
増額するよう要求している。だが、その駐留経費の計算からは、韓国側による米軍の
プレゼンス(駐留)に対する最大級の貢献要因が除外されている。それは無償の土地貸与だ。

 米韓両国の当局者は14日にワシントンで会い、費用分担の諸条件で3度目の交渉を行う。

 米軍の駐留条件の改善を目指すホワイトハウスの取り組みは、米韓同盟関係にとって
極めて重要な時期に進められている。韓国と北朝鮮の最高指導者が先月に南北首脳会談を
終え、トランプ氏と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談を6月12日に控えるなか、
ワシントンやソウルにいる高官や補佐官らが、平和条約が締結された場合に
米軍が韓国から撤退する可能性に言及し出したからだ。

 これに対して、韓国政府当局者は米軍撤退の可能性を即座に否定した。
またトランプ氏が新たに国家安全保障問題担当補佐官に任命したジョン・ボルトン氏は
先月9日に同政権に正式に加わる前、米朝の非核化交渉が失敗に終われば、
米国などによる北朝鮮への軍事行動の扉が開かれる可能性もあると警告していた。

 米国防総省は、米軍駐留を受け入れるホスト国(同盟諸国)に
駐留経費(兵士の賃金を除く)の半分を負担させることを目指している。
1966年の在韓米軍地位協定による合意は、韓国の土地を米軍基地として
無償で使用できる権利を米国に付与している。そのコストは韓国側が負担しているが、
両国によって最近発表された財務評価報告には含まれていない。

 韓国は日本と同様に、米国の安全保障上の傘に依拠して極東地域の脅威を封じ込めている。
韓国には20カ所を超える米軍基地があり、2万8500人の米兵が駐留している。在韓米軍は
これによって、アジアの本土(韓国)で戦略的な位置を確保するという恩恵を享受している。