カゴイケさんが記者会見で言っていたのはコレです。
《貞観政要・その三》君道第一/上理まりて下乱るる者はあらず

 貞観初年のこと、太宗が側近の者にこう語った。
「君主たる者は、なによりもまず人民の生活の安定を心がけなければならない。人民を搾取して贅沢な生活にふけるのは、あたかも自分の足の肉を切り取って食らうようなもので、満腹したときには体のほうが参ってしまう。
天下の安泰を願うなら、まずおのれの姿勢を正す必要がある。いまだかつて、体は真っ直ぐ立っているのに影が曲がって映り、君主が立派な政治をとっているのに人民がでたらめであったという話は聞いたことがない。わたしはいつもこう考えている。
身の破滅を招くのは、ほかでもない、その者自身の欲望が原因なのだ、と。いつも山海の珍味を食し、音楽や女色にふけるなら、欲望の対象は果てしなく広がり、それに要する費用も莫大なものになる。
そんなことをしていたのでは、肝心な政治に身が入らなくなり、人民を苦しみに陥れるだけだ。その上、君主が道理に合わないことを一言でも口にすれば、人民の心はばらばらになり、怨嗟の声があがり、反乱を企てる者も現れてこよう。
わたしはいつもそのことに思いを致し、極力おのれの欲望を抑えるように努めている」