昭和20年8月15日に終戦を迎えると、朝鮮総督府の遠藤柳作・
政務総監は朝鮮語新聞「中央日報」社長・呂運享と会い、一切
の統治機構を韓国人の自治組織に引き渡すことを申し出た。

 呂運享は、その日の夕方、自らを委員長とする「朝鮮建国準
備委員会」を組織して、総督府から治安維持の権限を引き取り、
放送局や新聞社などの言論機関を引き継いだ。建物という建物
には、民族の旗「太極旗」が翻った。

 しかし連合軍は8月16日に総督府に機密命令を発し、しばらく
朝鮮統治を続け、統治機構を保全したまま連合軍に引き渡す
ように命令した。18日、総督府はやむなく行政権を取り戻した。
太極旗が下ろされ、ふたたび日章旗が掲げられた。