「古事記」イザナギ・イザナミ神話には、イザナギ・イザナミが契りをかわす際に、お互いが天の
御柱(生命の樹)の周りを、イザナギが右廻りイザナミが左廻りで廻り、女神のイザナミが先
に「あなにやしえ男を」とプロポーズの言葉を言ってしまった為に、最初に生まれた子供がヒル
コ(蛭子)という出来損ないの子供だったので、水に流してしまった。
という話が出てきます。
これも、やはり、世界中の「創世神話」の、神々の世界から〜人間の世界・自然〜文化への移
行の流れにちなんだ、寓話です。
左廻りのイザナミが先行してしまうということは、自然(混沌)状態への退行を意味しています。
正しい在り方は、{遺伝子の二重らせんの右巻き}が示している様態ですね。
日本でも、昔から、左りは不吉なものと懸念されていました。
現代人の私達からすると、ここで、ヒルコ(不具の子)が生まれ川に流されたとあるので、残酷
にも感じられますが、ヒルコ(蛭)は、黒の単色の、のっぺらした・つかみどころのない様態から
自然の混沌状態を連想させるものとして、取り上げられているだけです。
蛭は、ナマコとして、後のアマテラス神話にも、アメノウズメに口を切り裂かれる悪役として出て
きます。
これも、同じ喩ですね。