【植民地帝国日本における知と権力】
松田利彦(編) 思文閣出版 2019/3

日本の台湾・朝鮮・満洲国などに対する支配において、学問的知識・政策構想・
イデオロギー・スローガンなど多様な形をとって現われた「知」に着目しつつ、
「知」が帝国の支配に果たした役割や、植民地支配のなかでの被支配者の「知」
のありかたを考察しようとする試み。

国際日本文化研究センター国際共同研究、台湾での合同ワークショップ、韓国
での共催シンポジウムの成果。

■目次

第T部  研究の現状

  「知と権力」からみた植民地帝国 ─ 朝鮮史研究における成果と課題 ─ (松田利彦)

  「台湾島史観」から植民地の知を再考する ─ 植民地台湾における「知と権力」をめぐって ─ (陳姃湲)

第U部  植民地化と知の再編

  法学者・岡松参太郎の台湾経験と知の射程 ─ 植民地統治と「法の継受」をめぐって ─ (春山明哲)

  領台初期の原住民調査 (中生勝美)

  俳文学、知識、植民地統治の交錯 ─ 『台湾歳時記』の編纂とその植物知識の系譜 (顔杏如)

  日本統治期における台湾人家族法と植民地統合問題 (曾文亮)

  「帝国」としての民法学へ ─ 京城帝国大学の民法学者を中心に ─ (岡崎まゆみ)