>>4で出てる前田勉の『江戸の読書会―会毒の思想史』が平凡社ライブラリーに入ったから儒教に興味ある人は読んでみてクレメンス

科挙制度があった中国朝鮮と違い儒学の経書を読んでも出世には結びつかなかった近世日本でなぜ人々は熱心に経書を読んだのか…
という面白い問題設定から始めて会読と訓読による近世日本思想史を書いた本や

「江戸時代、儒学を学んでも何の物質的利益もあるわけではなかった。しかし、逆説的にだが、だからこそ、
純粋に朱子学や陽明学を学び、聖人を目指したともいえる。儒学を学んだからといって、経済的・社会的なメリットは
なかったにもかかわらず、儒学を学ぼうとしたのは、それだけ、聖人への希求が強かったといえるだろう。
それは、厳格なタテの身分秩序のなかでの平等への願望だと言いかえてもよい。しかし、それゆえに
「矛盾・軋轢・衝突」を引き起こさざるをえなかったのである。」(32頁)