慰安婦財団の解散発表 韓日関係は一段と冷却化
記事入力 : 2018/11/21 14:15

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は21日、旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年の
韓日合意に基づき韓国に設立された慰安婦被害者支援のための「和解・癒やし財団」を
解散すると発表した。同財団は日本が拠出した10億円を財源に慰安婦被害者や
遺族への現金支給事業を行ってきた。解散は韓日合意の柱となる条項を無力化することを
意味するもので、日本政府は強く反発すると予想される。韓国大法院(最高裁)が
新日鉄住金に対し日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者への賠償を命じた
先月末の判決を巡り冷え込む韓日関係が、さらに行き詰まる見通しだ。
 
 今月29日には徴用被害者が三菱重工業に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が
予定されており、韓日関係は立て続けに悪材料に見舞われることになる。

 韓国政府は、財団の解散と先月の大法院の賠償判決は別問題との立場だ。
外交部の当局者は20日、「二つを絡めて処理することは考えていない」と述べていた。

 だが日本は、1965年の韓日請求権協定に続き慰安婦合意までも韓国が「約束」を
守らないと、二つを関連付けて国際外交の場で攻勢を強めるとみられる。

 在韓日本大使館は賠償判決を受け、韓国に進出している日本企業を対象に
15日にソウルで異例の説明会を開き、請求権協定で個人の請求権問題は解決済みだ
とする日本政府の立場を改めて説明した。

 ただ、国連の強制失踪委員会が慰安婦被害者に対する日本の補償は不十分だとする
最終見解を示すなど、国際社会も歴史問題への日本の態度に批判的な立場を取っており、
日本政府の外交努力がどれほど効果を上げるかは未知数だ。

 また、韓国国内でも「被害者」と「加害者」が入れ替わったかのような攻防を
目の当たりにし、過去への反省を見せず居直る日本に対する批判的な世論が
一段と強まる可能性がある。