文大統領2周年インタビュー、「無礼記者」への批判の本質
徐台教 | ソウル在住ジャーナリスト「コリアン・ポリティクス」編集長
5/12(日) 13:11

韓国の文在寅大統領が就任2周年に際し行ったインタビューにおける、対談を担当した
記者の「無礼な」態度が話題だ。だがこれは、「ジャーナリズムと権力」という
本質的な問いを含んでいる。経緯と論点をまとめた。

●80分の生放送インタビュー

北朝鮮が直近で2度目となるミサイル発射訓練を行った9日、
文在寅大統領は青瓦台(韓国大統領府)で生放送インタビューに出演した。
就任から丸2年の時点で、通算4度目の生放送、そして国内メディアとは初めて行う、
1対1の対談形式のインタビューだった。

相手は公営放送KBS(韓国放送公社)のソン・ヒョンジョン記者。
記者歴20年で、今は国会記者クラブの「班長」を務める政治を専門とする記者だ。

インタビューは午後8時半から約80分間行われ、文大統領は朝鮮半島情勢、国内政治、
司法改革、人事、雇用・格差拡大などの経済、外交など70を超える質問に答えた。
青瓦台側によると「事前の質問のやり取りは無かった」とのことだ。

●KBS記者に集まる批判

だがこの日、インタビュー内容よりも話題になったのは、インタビュアーである
ソン記者だった。生放送中からツイッターなどのSNSに批判的な書き込みが寄せられ、
韓国最大のポータルサイト『NAVER』で検索キーワード1位ともなった。

ソン記者に寄せられた批判は3つに分けられる。
まずは、文大統領の言葉を途中で何度もさえぎり質問をかぶせるインタビュー方法、
次に顔をしかめるなど表情管理をしなかった点、
最後に、第一野党・自由韓国党に肩入れしたような質問内容があることだ。

インタビュー全編はここで視聴できる(韓国語)