>>370

しかし、李研究員はこの主張を真っ向から否定する。
李研究員は日本国内46か所の炭坑や鉱山での労働者の賃金データを分析して、
日本人労働者と朝鮮人労働者との待遇の差や、朝鮮人労働者の賃金の実態について検証した。
李研究員の論文「戦時期日本へ労務動員された朝鮮人鉱夫の賃金と民族間の格差」によると、
1939年以降の「募集」、1942年2月以降の「官斡旋」、1944年9月以降の「徴用」という
動員の形態の違いに関係なく、日本人と朝鮮人には同じ賃金体系が適用されていたという。
その賃金体系は、熟練度によって給与が増減する仕組みだった。
炭坑や鉱山での勤続年数が長ければ熟練度は上がり、
より多くの鉱物や石炭を採取できる事から、給与も上がるのだ。

では、朴氏が「民族差別」の証拠としていた北海道の炭鉱では、
日本人と朝鮮人の熟練度、つまり勤続年数の違いはどうだったのだろうか?
李研究員によると、この炭坑では日本人の57.2%が勤続2年以上だったが、
朝鮮人の89.3%は勤続年数が2年未満だった。
つまり、日本人の大半が熟練労働者であり、朝鮮人のほとんどは非熟練労働者だったのだ。
日本人の大半が高給で、朝鮮人のほとんどが比較的薄給だった理由は、
民族差別ではなく、熟練度の差だった事が分かる。
実際に、日本人と朝鮮人で熟練度の分布がそれほど変わらない別の炭坑では、
給与の分布でも日本人と朝鮮人に大きな差は無かった。
李研究員は朴氏の研究について、「資料に関する一方的解釈」
「全体を概観せずに、一部分のみを抜き出し、予断を入れ込み、早まった結論を出した」
と痛烈に批判している。「日本人との差別」という韓国での定説に疑問符を付けた形だ。

「手元にはほとんど金が残らなかった」という元朝鮮人労働者の証言もある。
しかし、この点についても李研究員は強制的な貯蓄や食費、
その他の雑費を差し引いても、賃金のうち平均43.5%が自由に使用できたと主張する。
稼いだ金の一部を朝鮮半島で暮らす家族へ送金していた労働者も多かった。
こうした貯蓄や送金は、日本近海の戦況が激しくなった1945年3月から4月以前には、
きちんと支払われ、送金も行われていたという。
韓国では定説になっている「奴隷」のイメージとは相当距離がある。

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