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韓国の自業自得

――北朝鮮が韓国との軍事境界線沿いに配備したロケット砲は?

鈴置: それらは第1撃ではすべては破壊できないと見られています。
砲門の数が極めて多いからです。北朝鮮はこれらで反撃するかもしれません。

 しかし、米軍とその家族は射程外の韓国南方に、あるいは韓国から引き上げる方向です
(「ついに『在韓米軍』撤収の号砲が鳴る 米国が北朝鮮を先行攻撃できる体制は整った」参照)。

 在韓米軍の南方移転、あるいは撤収を実施すれば、米国は北朝鮮に捕られていた
「人質」がなくなり、反撃を恐れずに攻撃できるようになります。
対北先制攻撃のハードルが一気に下がるのです。

 在韓米陸軍の撤収は早ければ、今秋にも始まると見られます
(「米軍は韓国からいつ撤収? 北朝鮮を先制攻撃する可能性は? 読者の疑問に答える」参照)。

――でも、ロケット砲はソウルをはじめ韓国に被害を及ぼします。

鈴置: 北朝鮮のロケット砲は韓国軍が叩くことになるでしょう。米空軍も手助けはする
かもしれませんが。米韓同盟――米韓相互防衛条約に自動介入条項はありません。
米国に北朝鮮から攻撃された韓国を助ける義務は厳密にはないのです。

 朝鮮戦争の休戦協定を締結した直後の1953年10月、米韓相互防衛条約が結ばれました。
米国は韓国が勝手に北朝鮮を攻撃し、戦争が再発することを強く恐れて
自動介入条項は設けなかったのです。韓国の自業自得です。